【勉強を習慣化するための5つのテクニック】ダンスと勉強を両立したい人のために解説!
- ダンスと勉強を両立するために,勉強を習慣化する必要があることはわかった
- でもどうやって勉強を習慣にするのかわからない
- 勉強を習慣にする方法が知りたい!
何かを習慣にするということは多くの人が挑戦してきましたが,ほとんどの人が挫折してしまいます。
実は習慣化にもやり方があり,やり方を知らずに気合いや根性でやっても成功しないのです。
この記事では,たくさんの習慣化の理論から,学生ダンサーが取り組みやすい方法をピックアップし紹介しています。
この記事を読んで実践すれば,ダンスと勉強を両立することができるはずです。
学生ダンサーが勉強を習慣化するためには次の5つのステップが必要です。
- 習慣にしたい行動を簡単にする
- いつやるのかを決める
- 週に4日以上,8週間継続する
- 記録をする
- 完璧主義にならない
STEP1:習慣にしたい行動を簡単にする
習慣化するために必要な最初のステップは「習慣にしたい行動を簡単にする」です。
なぜ簡単にしないといけないのかというと,いきなり難しくてハードな行動に取りかかると,脳が抵抗するからです。
人間の脳には「恒常性」という性質があります。
恒常性とは簡単に言うと「変化を嫌い一定を保とうとする」という性質です。
例えば,気温が高くても低くても,人間の体温は36度前後でキープされます。
また軽いケガや病気をしても,時間が経てばもとの健康の状態に戻っていきます。
この恒常性という性質があるからこそ,人間は生きることができるのですが,習慣化に関してはこの恒常性が邪魔をします。
例えば「明日から勉強を毎日3時間する!」とか「太ってきたから毎日1時間ランニングする」と決意をしても上手くいきません。
これは「変化が大きすぎる」ので,脳が抵抗してやる気を失わせてその行動をやめさせようとしてくるのです。
じゃあどうすればいいのかというと,行動を簡単にするというのが唯一の方法なのです。
まずは15〜20分におさえる
では具体的にはどれくらいの時間なら人間の脳は抵抗しないのでしょうか。
これは「15〜20分」と言われています。
スポーツや音楽のトッププレイヤーの研究をしているアンダース・エリクソンによると,どんな一流プレイヤーも初心者のころには毎日15〜20分の練習におさえていたそうです。
そのくらいの時間におさえないと,ストレスにより継続ができなくなるとのこと。
習慣化とは,継続すること。
まずは継続することが大事なので,慣れるまでは最大での20分の勉強時間におさえてください。
どんなに体調が悪くてもできる回数を設定する
先ほど「最初は15〜20分におさえましょう」という話をしましたが,これは上限の話です。
では下限,最低どれくらいするのがいいのかというと,1回とか2分とかそれくらいの量まで少なくしてください。
これは「どんない体調が悪くても」「どんなに忙しくても」できるくらいの量です。
よく習慣化の指導をしていると「体調が悪くてできませんでした」とか「忙しくてできませんでした」と言う人がいます。
もちろんそれは仕方がないことなのですが,誰しもが体調が悪くなるし,誰しもが忙しくなります。
それに合わせて行動していると,いつまでたっても勉強を習慣化することはできません。
「どんな状況でもやる」という意識が習慣化には大事で,それならどんな状況でもできる量まで少なくしてやるのです。
例えば「知らない英単語を1つ調べる」ならどんな状況でもできると思いますし,「明日勉強するページを1行だけでも読む」ならできるでしょう。
どんなに体調が悪くても,どんなに忙しくても,継続を途切らせないことが重要なのです。
小さな習慣の具体例
このように時間がかからない行動を「小さな習慣(タイニー・ハビット)」と言います。
この小さな習慣にはどんなものがあるのか具体例を出していきます。
- 毎日1回腕立て伏せをする
- まず2分の勉強から始める(2ミニッツ・スターター)
- 本を2ページだけ読む
- 振付を1回確認する
- とりあえず勉強机に座る
- ものを1つだけ片づける
- 歯を1本だけフロスする
- 毎日100円貯金する
小さな習慣を継続して意味があるの?
上記の小さな習慣の具体例を見て,バカにした人もいるでしょう。
「そんなことを継続しても意味ないでしょ」と思う人もいると思います。
確かに,この小さな習慣を10年間続けても,成果はほとんど出ないでしょう。
あくまで目的は成果を出すことで,習慣化はそのための手段でしかありません。
なので,この小さな習慣はあくまで「習慣をつけること」だけを目的にしているということを忘れないでください。
習慣化したらこの量を増やす必要があります。
安心してください。
やってみればわかりますが,この小さな習慣は自然と大きくなっていきます。
例えば腕立て伏せを毎日1回続けた人はジム通いまで行動が拡大していますし,毎日20分のダンスの練習を継続してきた人は1〜4時間まで拡大していくのです。
小さな習慣でさえ継続できないなら,大きな習慣は当然できません。
まずは小さな習慣をしっかりと継続できるようにしましょう。
STEP2:いつやるのかを決める
やるべき小さな習慣を決めたら「いつやるのか」を決めます。
なぜかというと,人間は「ぼやっとしたあいまいな行動はできない」という性質があるからです。
例えば「毎日2〜20分問題集をやる」と決めたとします。
しかし,残念ながらこれだけの決めごとだと実行できません。
そうではなく「学校から帰宅し,手を洗ったらそのまま机に座り,2〜20分問題集をやる」くらい具体的に決めないと行動できません。
自分がやろうと思っている小さな習慣に「いつ」を付け加えてください。
今すでにある習慣にくっつける
「いつ」を決めるときに,1番効果があるのは「今すでにある習慣にくっつける」ということです。
今すでにある習慣とは「朝に歯を磨く」とか「外から帰ってきたら手を洗う」とかそういうものです。
今すでにある習慣にくっつけることで新しい行動も習慣になりやすいと言われています。
(これを「習慣の鎖(ハビット・チェーン)」と言います)
学生の皆さんであれば,現実的なのは「学校から帰って手を洗ったら〜」とか「夕ご飯を食べたあとにすぐ〜」とかがいいと思います。
「起きてすぐ」に時間がもっとも習慣化しやすい
習慣を身につけるためには「朝起きてすぐの時間」がもっとも適しています。
これに関しては次のような研究データがあります。
- 2017年,ニース・ソフィア・アンティポリス大学で,48人の学生グループを2つに分ける
- 片方のグループには「朝15分のストレッチ」,もう一方のグループには「夜15分のストレッチ」を習慣化するように取り組んでもらう
- 朝のグループは105日,夜のグループは154日かかって習慣化できた
朝のグループのほうが1.5倍も早く習慣化できたということになります。
なぜ朝のほうが習慣化しやすいのかというとストレスホルモンである「コルチゾール」が原因です。
朝にコルチゾールの分泌量が増えるのですが,コルチゾールの濃度が高まっているときは,脳は覚醒に向かい,目の前のことに最大限適応しようとするからです。
勉強を習慣化するために,最強のタイミングは「朝起きたとき」なのです。
もしこれができそうなら,朝30分ほど早く起きて勉強してみてください。
STEP3:週に4日以上,8週間継続する
勉強を習慣化したい場合,最低でも週に4日以上は継続してください。
これに関しては次のような研究データがあります。
- ビクトリア大学で,トレーニングジムに入ったばかりの男女111人を対象とした研究
- どういうパターンでジムに通えば習慣化できるかを調べた調査
- 週3回までの頻度で通っていた人よりも,週4回以上通っていた人のほうが習慣が身につく確率が高かった
習慣づくりに大事なのは,1回あたりの時間よりも頻度だということです。
テスト期間の1週間だけ,毎日5時間勉強しても習慣にはならないってことなんですね。
それなら行動を小さくして,頻度を増やすほうが習慣化には効果があるということです。
6週間目に壁がある
また「6週間の壁」というのも確認されています。
週に3日以下ジムに通っていた人も週4日以上通っていた人も,どちらも6週間までは継続できたそうです。
しかし,6週間目をすぎたあたりから差が出てきます。
週4日通っていた人たちは6週間目からも継続できていたのですが,週3以下の人たちはこのあたりからサボりがちになっていくのです。
8週間目以降はサボりにくくなることがわかっています。
なのでまずは8週間を目標に続けてください。
習慣化する日数は18〜254日(平均66日)
「8週間続けましょう」と言いましたが,別の研究によると平均で66日と言われています。
行動の難易度によって習慣化する日数は変わります。
簡単な行動はすぐに習慣化しますが,難しい行動は時間がかかります。
66日は約2ヶ月,254日は約8ヶ月です。
だいたいこれくらいの間で習慣化すると見積もっておけばいいと思います。
STEP4:記録をする
勉強を習慣化したい場合,必ず記録しましょう。
記録することにより,事実を直視でき,反省もできます。
記録しなければ,自分がきちんとできているのか,それともできていないのか,がわかりません。
「自分のことだからそれくらいわかるよ」と思うかもしれませんが,人間は「自分はきちんとできている」と間違って認識してしまう生き物です。
記録をしないと自分のことはわからないのです。
記録はアプリが便利
記録は何でやってもOKですが,アプリだと便利です。
僕は「DotHabit」というアプリを使っていますが,これも別に何でもいいです。
できたところが赤でマークされています。
こういうカレンダー形式の記録だと週に何回達成できたのかということがわかりやすいです。
STEP5:完璧主義にならない
勉強を習慣化するためには,完璧主義にならないことも大事です。
どんな状況でもできるくらい行動を小さくしているので,毎日できるはずなのですがが,それでも失敗することは多々あります。
そんなとき,普通の人は「なんて自分はダメなんだ」と自分を責めます。
これは「完璧主義」の人の特徴です。
そして完璧主義の人は「失敗するくらいなら最初からやらないほうがいいや」と思い,行動自体をやめてしまいます。
自分を許すことは大事
自分のミスを許せずに行動をやめてしまうくらいなら,自分を許して反省して,前に進むほうが絶対にいいですよね。
なので,たとえ習慣ができない日があっても気にしないクセをつけてください。
これを「セルフ・コンパッション」と言います。
「自分を許す」という意味です。
頑張っている人ほど自分を許すことが苦手ですが,実は自分を許すことができる人のほうが前に進むことができるのです。
まとめ
学生ダンサーが勉強を習慣化するために必要なのは次の5つのステップです。
- 習慣にしたい行動を簡単にする
- いつやるのかを決める
- 週に4日以上,8週間継続する
- 記録をする
- 完璧主義にならない
僕だったら,まず自宅に帰ってきて手を洗ったら飲み物を持って勉強机に直行します。
そして2〜15分の勉強をとりあえず半年間続けます。
皆さんもまずは以上の5つのステップを自分の生活に当てはめて考えてみてください。
参考文献
- 吉井雅之「人生を変える! 理想の自分になる! 超速! 習慣化メソッド見るだけノート」宝島社 2021年
- スティーヴン・ガイズ「小さな習慣」ダイヤモンド社 2017年
- メンタリストDaiGo「短期間で〝よい習慣〟が身につき、人生が思い通りになる! 超習慣術」ゴマブックス株式会社 2019年
- BJ・フォッグ「習慣超大全」ダイヤモンド社 2021年
- ジェレミー・ディーン「良い習慣、悪い習慣―世界No.1の心理学ブロガーが明かすあなたの行動を変えるための方法」東洋経済新報社 2014年