【ポモドーロ・テクニック】勉強向けにアレンジした方法を徹底解説
- 勉強に集中できない。
- 長時間勉強してもあまり進まない。
- 勉強終わったら疲れ果ててしまう。
時間をしっかり使って勉強しているんだけど,集中できてなくてあまり成果が出ないなんてことはよくあることです。
集中できない原因はいろいろあるのですが,今回は「休憩をして集中力を回復させる」ということにフォーカスします。
この記事では長時間集中力がキープできるようになる「ポモドーロ・テクニック」を徹底的に解説します。
この記事を読んでポモドーロ・テクニックを実践すれば,長時間勉強してもあまり疲れず,集中して勉強に取り組むことができるようになるでしょう。
ポモドーロ・テクニックについて
ポモドーロ・テクニックの考案者はフランチェスコ・シリロという人です。
1987年9月,数週間後にある大学の試験のために読まなければいけない本があったらしく,その本を読むために初めてポモドーロ(トマト型のキッチンタイマー)のゼンマイをまいたそうです。
それから世界中の人たちが,自分の仕事や勉強を終わらせるためにタイマーを使うようになるなんて,本人も思っていなかったことでしょう。
ポモドーロ・テクニックに必要なもの
ポモドーロ・テクニックのやり方を解説する前に,ポモドーロ・テクニックに必要なものを解説します。
- タイマー
- 今日やることシート:その日にやることを重要度順に並べたリストと予定外の緊急な用件を書くスペース
- 勉強の在庫シート:やらなければならない勉強の内容を書き出したリスト
- 記録シート:勉強がどれくらい時間がかかったのかを記録するためのシート
ポモドーロ・テクニックと言えば「25分の作業と5分の休憩を繰り返す」くらいの認識しかない人が多いですが,考案者のフランチェスコ・シリロは自身の著書で,これらのものが必要と書いています。
ようするにポモドーロ・テクニック自体に最初からアイビー・リー・メソッドやブレインダンプ,パーキングロットなどのテクニックが組み込まれているのです。
シートにもフォーマットがあるようですが,個人的には白紙のA4用紙があれば十分だと思っています。
勉強を始める間の準備として,A4用紙を用意し,今日やる勉強とか,ちょっと用事を思い出したときにメモしたりしてください。
アイビー・リー・メソッドについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ポモドーロ・テクニックのやり方
必要なものをおさえたうえで,ポモドーロ・テクニックのやり方は以下のとおりです。
- 25分にタイマーをセットし,勉強に取りかかる
- タイマーが鳴ったら5分休憩する
- 25分の勉強と5分の休憩を1単位(1ポモドーロと呼ぶ)とし,4ポモドーロごとに15〜30分の長めの休憩をとる
- 以降はこれを繰り返す
大事なのは強制的に休憩をとること
ポモドーロ・テクニックの最大のポイントは「強制的に休憩をとること」だと思っています。
例えばぶっ通しで2時間勉強する人と,4ポモドーロ(1時間40分の勉強と20分の休憩)勉強する人とだと,絶対に後者のほうが勉強がはかどっているはずです。
勉強時間の総量が少なくても,間に休憩をはさむことによって単位時間あたりの密度は高くなっています。
勉強時間って大事なのですが,休憩することによって勉強の効果はブーストされます。
休憩は悪ではないので,休憩することを前提に勉強してみてください。
休憩中はスマホは使わない
1ポモドーロ中の5分の休憩時間中ですが,スマホは使わないほうがいいです。
「休憩中は何をすればいいですか」とよく聞かれるのですが,結論から言えば「5分やることが苦痛なくらい退屈なこと」がいいと思います。
スマホを使うと,退屈ではなく余裕で5分過ぎてしまいますし,脳に刺激が強すぎるので休憩になってないんですよね。
基本的には目をつぶってボーッとするくらいのことがいいです。
もしくは軽く運動することですね。
散歩するとか,軽く踊ってみるとか,その場でスクワットしてみたりとかです。
アクティブ・レストと言って,軽い運動は休憩になります。
4ポモドーロ終了して,ちょっと長めの休憩のときでもスマホを使うのは良くないですが,使うならせめて長めの休憩のときに使ってください。
ポモドーロ・テクニックのコツ
やり方だけ見るとシンプルで誰でもできるのですが,実際にやり続けてみると「ここはこうしたほうがいいな」と感じることも出てきます。
僕が実践した中で工夫していったコツをご紹介していきます。
最初のうちは25分じゃなく15〜20分にする
ポモドーロ・テクニックはそのやり方が有名なので,どうしても25分勉強しないといけないと考えている人が多いようです。
しかし,勉強に慣れてない人は25分の勉強もきついと思います。
開発者のフランチェスコ・シリロも最初のポモドーロ・テクニックは2分だったそうです。
僕がおすすめするのは15〜20分から始めることです。
この時間はおそらく人がストレスに感じにくいであろうという時間です。
ただ時間配分はいろいろ試してみてください。
自分にしっくりくる時間配分がベストです。
ちなみに僕の場合,こういうテクニックを使う場合,まずは「半分に減らす」ことを心がけています。
ポモドーロ・テクニックであれば「25分の作業→12分の作業」まで減らして1回やってみます。
タバタ・トレーニングであれば「20秒全力で動く→10秒全力で動く」に減らします。
たいていは半分に減らしてもできないことのほうが多いです。
そこから徐々に増やしていけばいいと考えています。
最初のうちは1ポモドーロだけでもいい
4ポモドーロでだいたい2時間の勉強時間になります。
エルンフォで開催した勉強会では1日に10ポモドーロくらいまわしたので5時間くらい勉強したのですが,これは監督者がいたからできたことです。
もし誰の監視もなく,自分1人でポモドーロ・テクニックを実践するのであれば,最初は1ポモドーロ分だけタイマーではかり,それだけできたら自分を褒めてあげてください。
1ポモドーロ当たりの時間も徐々に増やしていけばいいのと同じで,1日のポモドーロの回数も徐々に増やしていけばOKです。
ダンスと同じで,勉強のテクニックもできるようになるまでは忍耐が必要です。
上手くできなくても気にしない
初めてポモドーロ・テクニックを使ったときはけっこう上手くいくのですが,ずっと使ってると飽きてきてうまく集中できなくなってきます。
上手くいかなくてもあまり気にしないでください。
どんなシンプルなテクニックでも絶対に上手くいくときといかないときがあります。
25分集中するのが無理と思ってきたらその時間を減らしてください。
また集中できるようになってきたらまた増やせばいいです。
やっていくうちに集中できる時間は確実に増えていきますし,休憩時間もどんどん減っていき,5分でも長いかもって思うようになってきます。
人間は成長すると言うことを忘れないようにしてください。
ポモドーロ・テクニック以外の時間配分の例
運動科学の分野では,負荷(ストレス)と休憩を交互に繰り返すことを「ピリオダイゼーション」と呼ばれています。
休憩がパフォーマンスに良い影響を与えることは,運動科学の世界でも常識です。
またビジネスの分野でも成果を出している人は作業と休憩を繰り返していると言われています。
ここではポモドーロ・テクニック以外の時間配分の例をご紹介します。
- 中身の濃い仕事や練習は,どんなにスゴイ人でも2時間以上は取り組めない
- 52分仕事+17分休憩:DeskTime社の成績優秀な社員
- 51分仕事+9分休憩:食肉加工場で1番生産的な社員
- 75分仕事+15分休憩:農業従事者
- 50分仕事+7分休憩:高い判断力や知性が求められる職業に従事している人
これをまとめると50〜90分集中して仕事をしたあとに,7〜20分の休憩を取るというサイクルを繰り返すと体力や集中力が維持でき,最高のパフォーマンスを発揮しやすくなるということです。
これらのデータを参考にするのであれば,勉強時間は休憩なしだと90分くらいが集中力の限界だから最低でもそのあたりで1回休憩を挟むべきですね。
ポモドーロ・テクニックにおすすめのタイマー
ポモドーロ・テクニックにおすすめのタイマーですが,まじで何でもいいです。
スマホのタイマーはできるだけ使って欲しくないので,タイマーを別で用意してほしいのですが,自分が気に入ったタイマーでいいと思います。
壊れなければ100円のタイマーでもOKです。
一応,僕が今でも使っているタイマーを紹介しておきます。
まとめ
ポモドーロ・テクニックは効率的に時間を使うための時間術として有名な気がしますが,本質は「強制的に休憩を取ることで集中力を回復させる」ことだと思っています。
時間をうまく使おうという感覚ではなく,何がなんでも休憩をとってやるくらいの気持ちで使ったほうがいいと思います。
ポイントは以下のとおりです。
- どんなに頑張っても2時間以上は集中できない。その前に休憩を取る。
- 最初は15分,1ポモドーロを達成することを目標にする。できたら自分を褒める。
- 慣らしていきどんどん増やしていく。
- 上手くいかなくても気にしない。やればやるだけ上手くなっていく。
ポモドーロ・テクニックはかなりお手軽なテクニックなので,ぜひ1度試してみてください。
参考文献
- フランチェスコ・シリロ「どんな仕事も『25分+5分『で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門」CCCメディアハウス 2019年
- メンタリストDaiGo「自分を操る超集中力」かんき出版 2016年
- ブラッド・スタルバーグ,スティーブ・マグネス「PEAK PERFORMANCE 最強の成長術」ダイヤモンド社 2017年