【上級者向け】「時間は効率的に使うべき」という誤解!成績が上がる時間の使い方とは?
- ダンスと勉強を両立するためには,時間を無駄にはできない。
- スマホやゲームなどで無駄に時間を使ってしまう。
- どうやったら時間を効率的に使うことができるのか?
「時間を効率的に使うべき」と考えている人はすごく多いでしょう。
しかし残念ながら,時間を効率的に使おうとすればするほど,私たちの時間はなくなっていくと言われています。
この記事では「時間を効率的に使うべき」という誤解について解説し,ではどうすればいいのかというアドバイスをしていきます。
※今までの記事と違い,ちょっと難しい内容になっていますので,意味がよくわからない人は飛ばしてもらっても大丈夫です。
そもそも時間を効率的に使うとはどういうことか?
時間を効率的に使うとは,ここでは以下のような態度のことを言います。
- 短い時間で最高の成果を出そうとする
- 無駄なことはすべて消す
- 勉強スピードの最適化を試みる
誰しもが1度は考えたことがあるのではないでしょうか。
しかし,このような態度は逆に時間不足の感覚が生まれてしまいます。
時間を効率的に使うことが逆に時間不足を感じてしまうことになる理由は以下のとおりです。
- メンタルが病み,ストレスになる。
- 効率化の意識がストレスになる。
- 効率化すればするほど忙しくなる。
細かい研究データなどは省きますが,上記の3つはなんとなくわかりますよね。
時間を効率的に使おうとすると常に焦りを感じ,それが慢性的なストレスの原因になります。
また効率的に時間を使おうとすると必ず失敗します。
その失敗を許せなくてそこでまたストレスになります。
仮に効率的に時間を使うことができたとしても,その浮いた時間で「あれもできる」「これもできる」と考えてしまい,無理やり空いた時間を埋めようとして忙しくなります。
自由に使える時間は昔から変わっていない
日本をふくむ先進国の調査によると「いつも急かされている」「時間に常に追われている」「1日24時間では足りない」と感じている人は右肩上がりに増え続けており,割合は5〜7割もいるそうです。
「昔の人よりも現代人のほうが忙しいから当たり前じゃね?」と思うかも知れませんが,実はそうではありません。
50年前から我々が使える自由時間はほぼ変わっていません。
むしろちょっと増えているくらいなのです。
自由な時間は50年前から変わっていないのに,時間がないと感じている人は右肩上がりで増え続けています。
これはどういうことなのでしょうか?
その原因が,過度な時間効率化によって生まれる「焦り」なのです。
人間は焦りが生じると,時間感覚が狂い,時間が不足しているという感覚におちいります。
実際に時間がないのではなく,時間がないと感じているだけなのです。
時間がないと感じているから,なんでも急いでやってしまい,ミスが増え,勉強の内容が頭に定着しにくいという悪循環におちいっているということなのです。
ちょっと難しいと思いますので,もっと詳しく知りたい方はこの記事の文末に参考文献を掲載していますので,読んでみてください。
時間を上手く使うためのアドバイス
時間の話をすると,精神論みたいに感じる人が多く,ピンとこない人も多いです。
なので具体的にどうすればいいのかというアドバイスをしたいと思います。
できそうなことから取り組んでみてください。
1番覚えて欲しいのは「急がば回れ」
他のアドバイスを忘れてもこの言葉だけは覚えておいてください。
「急がば回れ」
これから出すアドバイスはすべてこの言葉に集約されます。
とにかく自分が急いでいるなと感じたら「急がば回れ」と頭の中で唱え,ゆっくりていねいに勉強してみてください。
勉強の量を追い求めない
「勉強をたくさんやればいい」と考えている人は多いと思いますが,この考えはやめましょう。
もちろん勉強はやればやるだけいいとは思いますが,「これだけやったから大丈夫」と考えるのは危険です。
僕は本が好きで,年間で120冊以上の本を読みます。
1ヶ月で10冊のペースで読んでいたのですが,ある日「本の内容も,どの本を読んだのかもあまり覚えていない」と気づきました。
読んだはずの本の表紙を振り返ってみると,どんなことが書かれていたのかを説明することができなかったのです。
いくら大量に本を読んでいても,内容が定着していなかったら意味がありません。
そこで読書量を追い求めるのをやめ,ゆっくりていねいに読むようにしました。
今の読書ペースはだいたい月に3〜5冊,もっとも多く読んでいたときの半分以下になりました。
でも本の内容は以前よりも覚えているので,これで正解だと思っています。
勉強のスピードを追い求めない
「勉強を速く終わらせてしまおう」という考えもやめたほうがいいです。
ダンスの練習でもそうですが,上手くなる人は「ゆっくり,ていねいに」練習します。
そしてゆっくり,ていねいにやったことが定着し,結果的にだんだん速くなっていきます。
ダンスが上手くならない人は,やたらと速く動いて練習します。
その結果,定着せず上手くなりません。
人間の脳は覚えたことを定着させるためには,どうしても時間がかかってしまうのです。
勉強も同じで,いくら問題集を速くこなしても身についていません。
わからないところを確実に理解していき,理解していることが増えることにより,結果的に勉強スピードは上がるのです。
勉強のスピードを追い求めることは無意味だという認識を持ちましょう。
イベントタイムで生活する
時間の余裕を生む方法として「イベントタイムで過ごす」という方法があります。
イベントタイムとは簡単に言うと時計を意識せずに生活するということです。
例えば「12時になったらお昼ご飯を食べる」「18時になったら仕事終わり」というのはクロックタイム方式の時間の使い方です。
対してイベントタイムは「お腹が減ったからご飯を食べる」「お風呂から上がったらストレッチをする」というような時間の使い方をします。
日本や欧米ではクロックタイム方式が主流ですが,これは時間に常に追われている感覚が生まれます。
そんな中で少しでもイベントタイムを意識すると時間に余裕があるという感覚が生まれてきます。
用事がある場合はアラームをかけておいて,アラームが鳴るまではイベントタイムで過ごしてみてください。
例:レッスンのために19時に家を出ないといけないから18:50にアラームをセットしておく→学校から帰ってきたら手洗いをしておやつを食べる→おやつを食べたら宿題をする→アラームが鳴ったからレッスンの準備をする
明らかに無駄なことをやらないようにする
ダンスと勉強を両立するために,明らかに無駄だと思うことは思い切ってやめてみましょう。
例えば,SNSやゲームに過剰な時間を使うことなどです。
ゲームならアプリごと削除してしまうとか,SNSだったらホーム画面から消してしまうとか,すぐにアプリを起動できない工夫をしましょう。
完全にやめるのが難しいという人は「ゲームをする時間」「SNSをやる時間」というのをあらかじめ確保しておくといいでしょう。
その時間はおもいきり無駄なことをしてもOKとします。
それ以外の時間には絶対に使わないくらいのルールにすると,意外と時間が余っていきますよ。
オススメのスマホの設定はこちらの記事で詳しく解説しています。
遊びの予定をあらかじめスケジュールに確保しておく
真面目な人ほど,空いている時間にダンスの予定を入れたり,勉強の予定を入れたりします。
その結果,やはり焦りが生まれ時間が上手く使えないことがあります。
そんな人ほど「遊びの予定」を先にスケジュールに入れておいてください。
できれば1年後くらいの遊びの予定も入れてみるといいでしょう。
勉強は習慣にしてしまう
勉強は習慣にしてしまったほうがいいです。
歯磨きをするのと同じくらいのテンションで勉強をしてしまいましょう。
そのほうが結果的にエネルギーのロスも少ないし,勉強時間も稼げます。
まずは毎日,宿題以外の勉強を2分から始めてみてください。
たまに一気に勉強するよりも,毎日少ない時間をコツコツとしたほうがいいです。
まとめ
時間を効率的に使うというのは,素晴らしいことと考えている人が多いのですが,実際はあまりに過度に効率を追求すると逆に効率的に時間を使えないということがわかっていただけたでしょうか。
時間に関してはかなり難しい話になります。
1つだけ覚えておいて欲しいことは「急がば回れ」ということです。
焦りすぎて,量や速度を求めすぎないように,1つずつの知識をしっかり定着させていくことを意識してみてください。
参考文献
- 鈴木祐「YOUR TIME」河出書房新社 2022年
- メンタリストDaiGo「週40時間の自由をつくる 超時間術」実務教育出版 2018年