「やればできる」は本当。とっとりずむの記事の補足
このたび鳥取のグルメや暮らしの情報ブログ「とっとりずむ」さんに,新設する小学4〜6年生のクラスについて取材していただきました。
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ぜひ読んでください。たんなる告知だけでなく,僕のダンスを教えるときの想いやダンスの価値などを書いていただいています。
今回は,とっとりずむさんの記事の補足記事を書きます。やはり文字の制限もあるので詳しく書き切れなかったところもあるので。
「子供が上手くなりやすい」は嘘
僕がずっともやもやしていたことがあります。それは「子供はすぐに上手くなる」とか「もう年だから覚えが悪い」とかいうセリフ。
個人的にこの考えは嫌いなのですが,でも実際そうなっていることも多いです。なので,これらの考えを否定する自分と肯定する自分がずっと頭の中にいた状態が何年も続いています。
でもちょうどこの考えはやはり間違っていたということがわかり,今はとてもすっきりしています。
実際に子供のほうが伸びやすいという,よく知られている根拠みたいなものはありました。
いわゆる「ゴールデンエイジ」とか「スキャモンの発達曲線」というやつです。これらの2つをざっくり説明と「だいたい小学校までくらいが運動能力が1番伸びる時期だ」という内容ですね。
でもこれに似た内容のことをSNSに書いたら,信頼できる運動のプロから「間違い」という趣旨のご連絡を頂きました。
これらは運動をきちんと研究している大学などではすでに否定されていることなのだそうです。
これに関してはまだ僕が本や資料を読んでないのでまだ正確に書くことができませんが,これが嘘だということがまずわかっただけで,今までのモヤモヤが晴れていき,いろんなものが繋がっていく感覚になりました。
まず僕自身が18歳からダンスを始めて,今では人に教える立場になっていること。県内だと成績もそこそこ出ているという事実(これから県外でも出します)。
「大人になってから伸びにくい」「子供はすぐに上手くなる」というのであれば,僕に教わっている子供たちは,そろそろ僕を抜く人が現れてもいいはずなんです。僕の成長スピードは遅く,子供たちのほうが速いので,僕と同じ経験値を得なくても,僕よりも上手くなる人がもっと多くなるはずです。
でも実際はそんな人少ないわけです。これから確実に僕を抜くであろうと思える人も数人。全然一般論として言える数ではないわけです。
また今まで12年指導してきて,伸びが速い大人がいたことも事実。現在50代以上でも小学生や中学生よりも上手く,信頼できる生徒もたくさんいます。
僕はこれらの経験をしていたので「大人になってから伸びにくい」「子供はすぐに上手くなる」という意見には懐疑的でしたが,学術的に広く広まっている論説がある以上,そちらを信じざるを得なかったというのが事実です。
伸びるには「成長マインドセット」が必要
で,ちょうどこの本を読んでいました。
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「マインドセット」とは,心の中に根付く,信念や考え方,心のあり方のことです。マインドセットの研究によれば,伸びる人は「成長マインドセット」,伸びない人は「硬直マインドセット」を持っているというのです。
成長マインドセットは「人の能力は努力次第で伸びる」ということを信じている人。
硬直マインドセットは「人の能力は生まれつき固定で努力などで変えられない」と信じている人。
「大人になってから伸びにくい」「子供はすぐに上手くなる」は硬直マインドセットの人の考え方だったのです。
詳しくはこの本を読んでいただきたいのですが,ようするに「やればできる」と言い聞かされて育ってきた人,結果ではなくプロセスを褒められて育ってきた人は,頭に「成長マインドセット」がインストールされていて,努力を嫌がらずにできるので,結果成長しやすいということでした。
逆に,結果だけに焦点を当てられて評価されてきた人(「テストの点が悪い」「あなたは頭がよい」など)は,硬直マインドセットがインストールされていて,自分の能力を誇示することだけに注力し,簡単な問題にしか取り組まず,新たな挑戦や努力ができなかったから,結果伸びないということなのです。
これはおそらく大人も子供も関係ないでしょう。マインドセットの研究にはプロスポーツ選手(大人)や経営者(大人)を対象とした研究で,それでも明らかな違いが出ているからです。
成長しないのは単に練習の質と量が足りないから
あと「大人になってから伸びにくい」「子供はすぐに上手くなる」という現状の事実の背景として,「大人は時間がない」ということがあるでしょう。
子供は時間があるから,ダンスの練習に時間をかけることもできる。対して大人は時間がない(と思い込んでいる)ので,ダンスの練習の時間の優先順位も低いし,量も少ない。おそらく質もともなっていない。
それでどちらが上手くなるかと言われれば,そりゃあ子供のほうが伸びるのは明白です。
逆に僕は36歳ですけど,今でも生徒の皆さんよりも伸びている自信があります。今来ている子供の生徒よりもはるかに練習していますし,今までの経験から同じ時間でも他の人よりも学びが多い=質も高いので,当然と言えば当然。
今1人いい感じの子がいるので,この子が抜いてくれないかなと期待していますが,様子を見ていて他の子供が僕を抜いてくれる気配がないのです。
結局「子供だから上手くなりやすい」というのは,大人の言い訳だし,ビジネスとして「今運動しておかないとまずいですよ」って言いたい習い事の経営者にも都合がよいから広まってるだけなんです(実際僕も昔はそういう主張をしていましたし)。
成長マインドセットを身につけるなら早いほうがよい
これらの研究結果と僕自身の体験,感じたことから,結局「やればできる」ということが導かれます。
「やればできる」なんてありきたりな言葉で,これだけ見れば響く人は少ないでしょう。
しかし,この結論が導き出されたプロセスに着目してください。やはり「やればできる」って思いませんか?僕はそう思います。なので,今の僕の努力量は3ヶ月前の僕よりも遥かに多いです。
これはダンスだけに限りません。全てのことにおいて「やればできる」は本当です。皆さんが人生を賭けていることに関して,「やればできる」のマインドセットを忘れないようにして欲しいです。
成長するのは子供でも大人でも関係なく成長します。でもどうせなら早いうちに成長マインドセットを身につけておけば,人生における挑戦回数は多くなるので,いつのまにか上手くなっているでしょう。
とくに小学生のうちに身につけておけば僕の年になるまでだったら20年以上あります。その20年間挑戦が楽しくなる性格になるってことです。
そのお手伝いをエルンフォはしますよ。
マインドセットについての参考資料
マインドセットについてもっと知りたい方は,まずはこちらの動画から観てみてください。
※1つのトピック(今回ならマインドセット)につき,いろんなメディア(動画や本など)で学ぶことはとても効果が高いと言われています。
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本だとこれがおすすめです。
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私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む
マインドセットに関しては,ぜひお子様を持つ保護者の方に勉強して欲しいです。おそらく子供たちのマインドセットを決定づけてしまうのは「親」だからです。
我々指導者もできるだけ子供たちに成長マインドセットをインストールしたいと思っていますが,長い時間一緒にいる親がこれらについて知っていると効果は計り知れないでしょう。