考察

「なんでできないの!」と言ってはいけない

ダンスに限ったことではありませんが,子供にたいして「なんでできないの!」と言って怒っている大人は多いと思います。

僕も「なんでできないの!」とは言わなかったのですが,「なんでやらないの?」と結局「なぜ?」という言葉を生徒に使っていたことがありました。

 

この「なぜ?」という言葉はけっこう強い言葉で,使いすぎると人間関係が悪くなる言葉と言われています。

「なぜ?」と自分に問い続けて,思考を深くし,アイデアを洗練させる,という手法もあるのですが,今回はそれは置いておいて。それを他人に使うと人間関係が崩壊してしまうくらい強力なんです。

 

大人が「なんでできないの」という言葉を発する,潜在的な思いは「できるようになって欲しい」という意味だと思います。

しかし「なんでできないの」と聞かれると,脳は「できない理由」を探そうとします。そうなると出てくる答えは,例えば「調子は悪かった」とか「集中できなかった」とか,言い訳が出てくるわけです。

「できるようになって欲しい」はずなのに,できるようになるための建設的な答えは出てこないのです。ということは「なんでできないの」という言葉は目的に沿ってない言葉なので,使う意味がないということになります。

 

では,どういう言葉を使えば良いのでしょうか?どういう問い方をすれば子供たちが自然と解決策を口に出すようになるのでしょうか?

それは「どうすればできるようになるかな?」という言葉です。こうやって問われると,脳は自然に「できるようになる方法」を探すようになります。

 

大人の方も経験あるのではないでしょうか?もし職場の上司にミスを怒られたとき「なんでミスしたんだ」と言われると,自然とミスした原因を探すじゃないですか。そして,ミスした原因を探して再発防止策とか考えると思います。

ただそれって再発防止になるだけで(しかもおそらく完全に再発防止になるわけではない)どうやったらより良くなるか,ということが考えられてないじゃないですか。

これってマイナスな感情で,人間の脳ってマイナスな感情ほど記憶しやすいんですよ。そういうのが積み重なると「マイナスばかり探す」ようになってしまいます。

でも上司に「どうすれば上手くいくか考えてみて」って言われたら,プラスの方向で考えることができますよね。それが積み重なるとプラスのものを探すようになり,会社としての業績なんかも上がってくるはず。

 

「できない理由」と「できるようになる方法」,どちらかしか手に入らないのであればどちらが欲しいか,と考えると絶対に「できるようになる方法」が欲しいですよね。「できない理由」とかいらないじゃないですか。

 

というふうに,大人の問いかけ方のほんのちょっとの違いで,得られるものは大きくかわってきます。まずは「なぜ?」と問いかけるのをやめて「どうやって?」と問いかけるようにしてみましょう。