手取り足取りの罠
僕は数年前からe-スクールでビジネスの勉強してます。
会員専用の掲示板があって,そこでやり取りしながら,文章を添削してもらったり,基本的な概念だったりを勉強するような形式です。
ちょっと料金をアップすると講師の方と直接メールがやり取りできたりします。
で,その講師の方から聞いた話。
掲示板でのやり取りは,文章でのやり取りになります。
直接会って話をしたときの理解と文章で読むだけの理解って,だんぜん前者の方が高いです。
なので,その講師の方は現在でも「面談」とか「セミナー」とかの場も設けて話をしたりしています(僕も1回だけ行ったことあります)。
以前は,その講師の方が各地方に出向いていたそうです。例えば,九州の生徒さんに声かけて,何人か集まったら行きます,みたいな感じで。
しかし,今は自分から出向くのをやめて,自分の地域でセミナーをするか,あえて掲示板やメールでのやり取りだけで完結するようにしているそうです。
ここからがおもしろいのですが,「あえて掲示板やメールでのやり取りだけで完結するようにしている」現在の方が「生徒さんの成績(稼ぎ)が良い」そうなんですね。
また当時地方に出向いていった時の生徒さんは「現在はほとんどいない(消えた)」そうなんです。
これ僕もわかるんです。
例えば,出向レッスン。こちらが出向くスタイルのレッスン。単発のものもあれば,定期的にお願いされるものもあります。
で,定期的にお願いされるものについてですが「100%依頼者側から中止の話が来ます」。
僕の方から「ちょっと忙しくなってきたのでもう辞めたいです」と言ったことは(今のところ)ありません。
最初は人数が多く,活気があったりしたのですが,だんだん人数が少なくなっていき,中止。で,その人たちとの交流は今やほぼゼロ。
まあ出向レッスンは良いんです。楽しくやれば良いと思いますし,楽しくなくなったから人が来なくなった。それだけです。
でも「学ぶ」とか「上手くなる」「成長する」が目的の場合はどうなのでしょうか?
今までの経験上で生徒側に合わせすぎると,その生徒たちは「上手くならない」んですよね。おもしろいことに。「親切丁寧」に「手取り足取り」教えたはずなのに。
上手くなった人って簡単に言えば「僕についてきた人」なんです。「僕が合わせてきた人」ではないんです。
生徒に合わせすぎると,生徒が「お客さん」になってしまっている気がするんですね。要するに勘違いするんです。
学ばなければいけない立場なのに,スタジオに行ったらお客さんのように振る舞い,手取り足取り教えてもらえると思っている。
僕はこれを「手取り足取りの罠」と呼んでいます。
「生徒1人1人に合わせてレッスンをします」って聞こえはいいけど,それって結局生徒の成長させないってことなんじゃないの?と思ってしまいます。
できない子を完全に無視するってことはないですけど,やっぱり本人が「なんとしてでもついていく」という気持ちがなければ,おそらく指導者側も気持ちは動かされないと思いますし。
結局,軸をしっかりと持って,そこはぶれずに,臨機応変にやっていくしかないですね。あんまりおもしろくない結論になってしまいましたが。