エルンフォの評価システムについて
各地でもダンスイベントはほぼ復活しているようなので,エルンフォでもまた活動の幅を広げていきたいと考えています。
今年はAゼミに連動して,コンテストやバトルを頑張ってみようという人がいれば,そこにも足を踏み入れていこうかと思っています。
そのときに必要なのが「評価」です。
評価とは「あなた50点。だからダメ」というものではなく「今は50点だからこれから100点に近づけていく努力をしていきましょう」と方向を指し示すものじゃないとダメかなと思っています。
コロナの時期からずっと勉強してきたのですが,やっと形にできそうな気がしています。
今回はエルンフォでの評価について書きたいと思います。
定量評価と定性評価
エルンフォの評価は「定量評価」と「定性評価」の2本の軸でいくことにしました。
定量評価について
定量評価とは,数字で評価できるもの。
客観的に見て,誰もが納得のいく数字の評価です。
例えば「あなたのリズム感は10点です」と言われたとします。
これは定量評価ではありません。
リズム感10点というのが,誰しもが納得できる評価ではないからです。
先生から見たら10点かもしれないけど,本人からすれば80点かもしれないし,他の生徒からすれば5点だと思うこともあるからです。
じゃあ定量評価って具体的にどんなのですかって話なのですが,例えば「あなたの今月のレッスンの受講回数は4回でした」と言われたとき,これは客観的な数字ですよね。
誰が見ても4回なわけです。
このような項目を洗い出し,ルールとして設定し,これを達成しているかどうかを評価する。
これが定量評価です。
定性評価について
定性評価はいわば,数字で評価できないことを評価するものです。
例えばさきほどのリズム感なんかは定量評価のようで定性評価です。
ダンスの上手さなんかはほぼ定性評価になります。
ダンスなんて数字で評価できない
僕らが生きているダンスシーンは,数字で評価できない世界です。
サッカーみたいにゴールにボールをいれたら1点,のような世界ではありません。
だから今まではいわゆる有識者(プロダンサーだったりインストラクターだったり)が上手さを自分の経験と主観で評価してきたわけです。
競技としてのダンスならそれでも良いです。
というかそれじゃないと無理だと思います。
ですが,人を育てるための評価であれば,定性評価のような目に見えないものだけで伸びる子はもともと伸びる素質を持っている子だけです。
なのでエルンフォではまずは定量評価をし,努力の方向性があっているのかどうかを確認しつつ,数字で伝えきれないことを伝えていくという感じにします。
数字は努力を暴き出す
定量評価と定性評価,それぞれにメリットとデメリットがあるのですが,定性評価の大きなデメリットは「やる気があるように見せる人が優遇される」というものがあります。
会社だと上司に気に入られたら出世するような感じです。
上司に取り入って気に入られているけど,実績は何も出していないという人もいるでしょう。
定性評価だと,そういう人が上にいき,実力があるけど社内政治に負けた人は評価されず出世しないわけです。
エルンフォだったら「コンテストには出たいし,チームも組みたいけど,レッスンにあまり来てない人」なんかがわかります。
そういう人にたいして「今あなたの状況はこんな感じだから,この数字を○○まで増やす努力をしましょう」と伝えることができます。
これをやると,能力はないけど社内政治に長けた人が全滅しますが,長期的にみると定量評価をまず徹底することが大事です。
具体的にどんな点数の付け方をするのか
ではどんな項目を評価対象にするのか。
これがめちゃくちゃ迷いました。
というか今でも迷っていますが,暫定で以下の3つ。
簡単に言うと「上手くなる,成果を出すためにふさわしい行動ができていたら加点,ふさわしくない行動をしていると減点」となります。
①レッスンの出席と継続
- レッスンに1回来たら1点
- 1日2クラスうけたら1.5点
- 1週間のうち1回も来てなかったら−1点
②あいさつ
- あいさつが聞こえるようにできたら1点
- 聞こえなかったら−1点
③遅刻
- 開始時刻に靴を履いて動ける準備できていたら1点
- 開始時刻に靴を履けてなかったら−1点
とくに重要なのは①で,レッスンの回数と継続できているかがしっかりと把握できる評価設定になっていると思います。
たまにレッスンにくるだけだとマイナスになっていきます。
とうぜんマイナスだとナンバーやコンテストには出れないということになります。
②と③は当たり前のことなので,普通にやっていたらどんどん点数は増えていきますが,たまにマイナスになるくらいできない人もいるので,マイナスになっている人は外部イベントには出さないようにします。
正直,これよりも良い項目(KPI)があるかもしれませんが,僕が計測できる限界かなと思っています。
とりあえず暫定でこの4つにしていますが,もっと良さそうな評価基準があれば教えてください。
じゃあ定性評価はどうやるの?
数字でチェックできる項目は以上の通りとして,ではそれ以外のことはどう評価するのでしょうか?
これは基本的には「エルンフォの理念と照らし合わせ,それにふさわしい行動をしているかどうか」がメインとなります。
例えば,レッスン中に集中力がないという場面。
これを行動に落とし込むと「手遊びをする」,「先生が話しているときに踊ってる(聞いてない)」,「やたらと時計を確認する」など。
本当はこれらの行動も数字で評価したいのですが,さすがに僕1人では計測できません。
なので,事前にエルンフォの理念などを確認しているという前提で「その行動はふさわしくないよね」と評価していきます。
またダンスに関しても,ふだん僕のレッスンに通っている人なら,僕が何を大事にしているのかがわかると思いますので,それに沿った行動をしているかどうかが評価基準になっていくわけです。
このあたりは客観性が弱く,主観が強くなるので,一方的にこちらが伝えるだけではなく,生徒にもしゃべってもらいながら考えていくのがいいのではないかと考えています。
だから通常レッスンではけっこうやりにくく,まずはAゼミからやっていく感じになります。
ゼミ生は少数なのですが,こういうのが浸透していくと,他の人も少しずつ気づいていき,鋭い子は自然と真似していきます。
そうなるとエルンフォ全体の雰囲気やダンスに対する熱意も伝染していくのではと考えています。
まとめ
まとめると
- 定量評価で客観的に,定性評価で主観的に評価していく
- すべて行動でみる
という感じですね。