望ましくない行動をやめさせるには

こちらの動画をご覧ください。
動画を見終わって、いろんなことが思い浮かんで、考えたんですけど、直後に「教室の中の応用行動分析学」という本を読んだので、今回はそっちの文脈でいろいろ書いていきたいと思います。
望ましくない行動を辞めさせるには
動画の内容をざっくり説明すると
- プロダンサーが度重なる遅刻で1ヶ月謹慎になった
ってことです。
おそらくチームの監督は、そのダンサーに遅刻を辞めて欲しかったのだと思います。謹慎を言い渡す前には、遅刻を見える化したグラフを張り出したりしていたようですが、効果なく、謹慎処分を下したという流れですね。
「応用行動分析学」というのは、人の「行動」に着目し、その行動を増やしたいのか、減らしたいのかを考えたときに、どういうフィードバックが必要かということを分析する学問です。
この動画の場合
- ある特定の人物の遅刻を辞めさせたい(減らしたい)
という目標があったときに
- 遅刻を見える化する
というフィードバックをしてみたところ、効果がなく
- 謹慎処分を下す
というフィードバックに変えてみたということですね。これが効果が出たかどうかは次の動画が出てないのでわかりませんが、問題解決の手続きとしては、理にかなった方法であると言えるでしょう。
行動だけに注目して分析しよう
ここで、心優しい人なら「遅刻したのには何か理由があったのかもしれない」と思うことでしょう。ただこのアプローチだと「行動を変えてもらう」という目的であればあまり意味をなさないでしょう。
理由はウソをつくこともできるし、そもそもその望ましくない行動をしてしまったことに明確な理由がなく、本人でもわかってないことがほとんどだからです。
ここが世間に蔓延している考えが違うところで、人の行動に合理性を求めてはいけないんですよ。銀行強盗なんかやっても絶対に上手くいかないのにやってしまうのは、人間の脳が合理的に動かないから、もしくは動かなくなる条件があるからなんです。
問題を解決するのに「原因」をやたら知りたがる人がいますが、問題解決をするのに、その問題が起こった原因を必ずしも理解する必要はなく、起こった行動に注目して解決を目指すほうがいいですよ、ってことなんです。
「我が子がなかなか言うことを聞かない」とか「生徒の行動が理解できない」みたいに悩んでいる親御さんや指導者の方は、一度こういうふうに冷静に分析してみるといいかもしれません。