学習に関する学習
練習についての話。
ちょっと上手く言葉にできないでいたのですが,生徒を見ても,周りのダンサーを見ても,ある感想が生まれます。
「何かを身につけるためにどれくらい練習すれば良いのかわかってない」
「何かを身につけるのに,大変なのは最初だけで,あとはそこまでしんどくない。でもそれがわからないからすぐに諦める」
たいていのことって,練習すればできると思うんですよ。
例えば,料理って僕はできないんですけど,できる人も最初からできたわけではないと思うんです。
ある程度,失敗とか練習とかしてできるようになったはず。
また,転職とか新しい仕事をする時でも,最初の1〜2ヶ月くらいは覚えることが多くてしんどいけど,慣れてきたら楽なはず。
で,子供はそういう経験がないから,わからないんだろうなぁと。だから子供は仕方がない部分があります。
でも,大人は絶対にそういう経験はしてるはずなんです。
大人のダンサーもそうだし,生徒の保護者の方もそう,教員とかもそう。
しかし,その経験を活かせないというか,語れないというか,使えないというか。
そんな漠然とした想いがありました。
いろいろダンスで悩んでる人ってたくさんいて,相談もされるんですけど,「地に足つけて練習すればできるよ」っていう答えしかないんですよね。そこまで我慢できずに練習を止めてしまう,他の方向に行ってしまう,という状況をよく見ます。
こういうのって学校ではたぶん教えないんでしょうね。というか教えれないというか。
そういうのは習い事の役割だとも思うので,もちろんそういうことを伝えるのですが,僕もイマイチ上手く言葉にできないことがあるので,伝えてもみんなピンときてない感じ。
これって「教育学」とはちょっと違うので,なんかこういう感じの学問ってないのかな〜って調べてたら,普通にあるんですね。
↓
要するに「学習に関する学習」です。メタラーニング。
この言語化を見た瞬間に,なんか心につっかえていたものが取れました。
「スキル習得」
これに関しての研究ってもうめちゃくちゃあるみたいですね。
スキル=技術
要するに,練習を要すること。料理もスキルだし,ダンスもスキル。
(ちなみに僕はこれを「テクニック」と言ってきた。この際だから,今後はスキルに統一しようか)
この本に書いてあることは,学校での「学習」と「スキル習得」は全く別物だとあります。
でも,この2つはどちらも重要であるとも書いてあります。
ダンスやってる人はおもしろいと思うので読んでみると良いかもしれません。
スキル習得のための方法論とかも書いてあります。
「スキルは練習しないと習得できない」と当たり前のことも書いてあります。
でも,僕がこうやっていうよりも,本にこうやって書いてある方が説得力があるんじゃありませんか?
で,この本を読んでて思ったのは,「やらないやつにはスキル習得は無理」ということ。
スキル習得のために必要な「環境作り」とかも書いてあるんですけど,それでも「やる気がない人をやる気にさせる方法」とかは書いてませんからね。
すごく良いことを書いてありますけど,「やるしかない」という風にも書かれています(笑)
だから「やる気がない人をやる気にさせる」とかっていうのは,また別の話なんでしょうね。