ダンスをやると頭がよくなる?
今回は「ダンスをやることで頭がよくなる」という意外な効果について紹介します。
始めに言っておきますが,ダンスだけやってたら自動的に頭がよくなって,成績優秀!テストもバッチリ!ということではありません。そのような魔法のような話ではなく,脳の機能がアップするよ,というお話です。
0時限体育を実施している学校は成績がよい
まず「0時限体育」ってご存知ですか?
1時限目の前にやる体育のことなのですが,これを実施している学校は成績が上がったという話です。
アメリカのネーパーヴィル203学区の生徒19000人を対象としている実験での結果のようで,かなり大規模な調査なので信憑性は高いと思います。
0時限体育は「学習準備のための体育」と言われていて,勉強する前に運動すると,頭がスッキリして,集中力や理解力があがり,結果,成績アップに繋がったということです。
運動は細胞レベルで脳に直接影響を与える
ただ運動には「頭がスッキリする」といった気分だけではなく,実際に細胞レベルで脳によい変化を与えているということがわかっています。
脳の情報を伝達するニューロン(神経細胞)の結びつきを強くする肥料のような物質(BDNF)を増やす効果だったり,ニューロン自体も運動で増えることがわかっているとのこと。
ものすごく簡単に言うと,運動することで脳が大きくなる,と言ってもよいと思います。
ただニューロンは使っていかないと死んでいくので,運動をして,しっかりと勉強をする必要があります。この勉強する,という過程を省くと,別に頭はよくならないということですね(笑)
どんな運動をすればよいのか?
僕が読んだ本だと主に「有酸素運動」という記述が多かったです。ジョギングとかですね。
30分間のジョギングを週に2〜3回,12週間続けることで,脳の遂行機能が向上したという結果が出ています。
またここからがおもしろいのですが,ジョギングのような簡単な運動ではなく,もっと難しい動き,例えば,平均台とか,不安定な障害物,ゴム製のはしごを上を歩く,などの動きだと,さらによい結果が出たようです。
要するに,単純な有酸素運動だけでなく「技能習得」系の運動だと,さらによいということなんですよ。
じゃあ技能習得系の運動って?はい,もうわかりますよね。ダンスも当てはまりますよね!
実はノーベル賞を受賞している研究者の方の趣味ってダンス系の趣味が多いって知ってました?
ノーベル賞を受賞している研究者は,そうでない研究者に比べて,芸術系の趣味を持っていることがわかっているのです。
芸術系と言えば幅広いのですが,絵画とか,写真とか,演劇とか,ダンスとか。
中でも演劇とかダンスとかパフォーマンス系の芸術の趣味を持っている人は,そうでない人比べて22倍もノーベル賞を取る確率が高いのだそうです。これは本当に驚きです。
おそらくこれもアメリカとかの研究だし,ノーベル賞の受賞と言えば,年齢は高めだと思うので,おそらく社交ダンスとかが多いと思います。
そして,さらに別の研究。
ダンサーを対象とした研究だと,規則的なリズムに合わせた動きよりも,不規則なリズムに合わせた動きのほうが脳の可塑性(変化すること)が向上したということなんですよ。
はい!きましたね。ストリートダンスはまさに不規則なリズムのダンス。ストリートダンス最強説が出てきました(笑)
受験生や学生ダンサーへのアドバイス
「ダンスやってたから成績が落ちた」というのは言い訳になってしまうことが証明されてしまいました(笑)
というのは冗談ですが,でも「ダンスやってたから成績が落ちた」というのは,結局勉強をしてなかったということになります。
もしダンスを愛し,ダンスに熱中していたのであれば,自分の成績の悪さをダンスのせいにしないでほしいという願いはあります。
そして,勉強に集中しないといけない時期は,勉強の割合を増やすのは当然ですが,ダンスの割合をまったくなくすのはあまり得策ではないということがわかったのではないでしょうか。
「ダンスをやると頭がよくなるならダンスいっぱいやろう」と言って,勉強時間まで削ってしまうと本末転倒ですが,勉強時間を増やしてダンスをまったくやらないというのも実はあまり良くないのです。
体育の授業を減らして,5強化の授業を増やしても成績アップには繋がらないという研究結果も実はあるのです。
ということで,大事なのは結局時間配分,スケジュールの管理能力です。できれば週2でダンスの時間をとれると最高なのではないでしょうか?
ダンスが好きなら「ダンスのせいで」と言われない人生を歩んでください。
参考文献
・脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方