考察

ダンスノートの書き方 2.0

an

以前「ダンスノートの書き方」という記事を書いたのですが,けっこう好評のようで,多くの方に読まれています。

ありがとうございます。

ただ,今自分で読んでみると,これは追加修正が必要だなと感じました。

なので今回は「ダンスノートの書き方 2.0」ということで,バージョンアップした内容でお届けしたいと思います。

スポンサーリンク

ダンスノートを書く目的

僕も生徒にノートを書くことをすすめるのですが「ノートを書くこと自体が目的」になっている人が多いです。

違うんです。

ノートを書くことはあくまで「手段」。

では目的は何でしょうか?

 

それは「成果や結果を出すため」です。

例えば「バトルやコンテストで勝ちたい」でも良いですし,「振付師になりたい」とか,「舞台公演を成功させる」でも良いです。

もっと抽象的に「とにかく上手くなりたい」でも最初は良いと思います。

 

大事なのは目的があって,ノートを書くことはその手段である,ということです。

まずここを忘れないようにしてください。

書くことは本当に大事

「書く」ことって本当に大事です。

発明王トーマスエジソンも「メモこそ命の恩人だ」と言っているくらいです。

ただ多くの人はこの「書く」という行為をなめています。

 

人間は頭の中にあること,考えていることを書き出すことによって,初めてそのものを「客観的」に見ることができます。

たいていのことは書き出すだけで解決すると言っても言い過ぎではありません。

とくにネガティブな感情や出来事は,ずっと頭の中をグルグル回って抜け出せなくなり,メンタルに影響をあたえます。

書き出すことにより,頭の中でグルグル思考が回ることはなくなるし,客観的に見えることにより「こんなことで悩んでたんだ」と思えるようになります。

ダンスノートの「3段階のフェーズ」

書くことの重要性を理解したところで,今度は具体的に「どうやってダンスノートを書くのか」ということを解説していきます。

ノートを書くときに,次の3段階のフェーズを意識していくと,書きやすいと思います。

(1)記録
(2)記憶
(3)創造

それぞれ解説していきます。

記録

まずは「記録」です。

これは「忘れないために」書くということです。

人間の記憶はあいまいです。

だからまず記録をします。

 

記録のコツは「事実(ファクト)」を書くということです。

例えば,練習したこと,レッスンで習ったこと,メニュー,イベントでの結果や起こったことなどなど。

いわば「知識と経験」です。

これらをまず素直に記録していきます。

 

目標達成において「記録」はとても大事です。

多くの人が目標を立てても達成できないのは,記録をしてないからです。

ゴールを設定して,記録をすると「どれくらい進んだのか」とか「ゴールまでどれくらいか」が見えるようになります。

これが人間のモチベーションに繋がります。

いわゆる「視える化」ですね。

しっかりと記録をしている,自分の努力の軌跡を見ることができます。

 

たまにノートを書かないで(記録をしないで)成功してしまう人もいますが,その人たちは「記憶力が良い」だけです。

できる人たちの真似をするのはあまり得策ではありません。

あまり世の中で成功している人たちだけに目を向けないようにしましょう。

記憶

次の段階は「記憶」です。

記録したことを覚えて,身体に染み込ませていきます。

ノートをとってるけどイマイチ成果が出ない人は,この段階でつまづいています。

得た知識や経験は「使わないと意味がない」のです。

得た知識を使えるようになるには,その知識と経験を「使える形」にして取り出しやすいようにしておかなければなりません。

ここはとても大事なところですので,しっかりと意識してください。

 

人間は利用可能な知識や経験を「正しい」と思い込んでしまう生き物です。

ここを意識しないと,いつまでもバージョンアップしていない「手持ちの知識や経験」だけに頼るようになり,成長できなくなります。

バージョンアップした知識と経験を利用可能な状態にすることにより,人間はいつまでも成長することができます。

 

記憶するために,1番手っ取り早い,かつ,効果が高い方法は「人に教えること」です。

ということで,記録した事実(知識や経験)を人に伝えるかたちに「書きかえ」ましょう(リライト)。

例えば,レッスンで習ったことなら「自分ならどうやって教えるか」と考えながらリライトしましょう。

イベントで体験したことを後輩に伝えるなら「どうやって話すか」と考えながら書き直すのです。

抽象化したり,例え話を作るのも良いでしょう。

そうすると嫌でも記憶に残っていきます。

 

コツは「3分くらいで話せる」くらいの内容にまとめておくことです。

あんまり長いと記憶に残りづらくなります。

また小さくまとめておいて,その話のチャンク(かたまり)をたくさん持っておくことで,幅広く人に話せる人になります。

尊敬され,頼られる先輩になれると思います。

創造

最後のフェーズは「創造」です。

ここまでいけるようなれば,ほとんどの人は勝負にならなくなります。

創造フェーズでは何をするかというと,記憶した知識や経験を「別のシーンで使えないかな」とか「自分ならこう工夫する」といったように自分のオリジナルなものを創っていくという工程です。

例えば,習った振り付けをそのまま完コピするのではなく,ところどころを使ってみて,違う振り付けを創ってみたりします(アレンジコピーと呼んでいます)。

またバトルなんかだと,自分なりにセットムーブを創ってみるのも良いでしょう。

とにかく完コピするよりも,得たものを工夫してアレンジして,作りかえることが大事なのです。

 

以前の僕はこれを完全に勘違いしてまして,完コピを意識していたんです。

例えば昔はワークショップで習った振り付けをそのまま覚えてレッスンでやってました(許可は得ています)。

ただこれだと自分自身には何も残ってなくて,自分のものになってなかったんですよ。

完コピをやめて,アレンジコピーをするようになってからは,動きの幅がめちゃくちゃ増えました。

振り付けも考えるのがかなり早くなりました。

自分が得た知識や経験を,いろいろいじってみて,別のものを創りだしたことで,自分のものになっていったのだと思います。

ダンスノートのフォーマット

いろんなノート術を勉強してみると,それぞれのノート術には「フォーマット」があります。

例えば,ノートの左側に縦線1本引くとか,下のほうは空けておくとか,それぞれルールみたいなものがあります。

 

僕がすすめるのは「あんまり気にしない」ことです。

まずは好きに書いてみてください。

書いていくと自分の型みたいなものが生まれてくると思います。

 

1番シンプルだと思ったのは「メモの魔力」という本に載っている方法です。

見開き2ページを3等分するのですが,詳しくは読んでみてください。

 

僕は基本的には決めていませんが,余白をかなりとっています。

あとから追加情報を記入するためだったり,書き直したりするためです。

anはどうやっているか

僕がどうやっているのかを紹介したいと思います。

 

まず「記録」フェーズでは,スマホにメモします。

忘れないことが目的なので,常に携帯しているものにメモするのが1番です。

なので,スマホにメモします。

 

そしてスマホを見ながらノートに書いていきます。

この作業は「記憶」「創造」のためです。

記録したことで覚えたいことは,人に教えるつもりで書いていきます。

 

またノートを書きっぱなしで終わると非常にもったいないです。

ときどき見返して,追加情報を余白に書き足したり「もっとよい表現はないかな」とリライトしたりします。

こうすることで,さらに記憶は強化されます。

 

例えば,僕がQumaさんのレッスンを受けたときのノートです。

スマホには習ったことを箇条書きで書きます。

その中で,とくに覚えたいこと,今回なら「ブレイクダウン」にしますが,ブレイクダウンを人に教えられるようにノートに書いていきます。

定期的に見返すと,追加で書き足すことがだいたいあるので書き足します。

 

例えば,教え方を追記します。

僕のブレイクダウンの教え方は「身体のセンター軸上の3点を意識し固定する」と教えたりします。

でもQumaさんは「車のハンドルを握って運転するように」とよく教えてくれます。

これを追記するのです。

 

これで僕の「ブレイクダウン」に関する情報は増えましたよね。

しかも違う角度からの情報なので,そのスキルに立体的に情報が付いていきます。

これはそのまま僕のダンスの幅になっていくわけです。

まとめ

いろいろ細かいことも書きましたが,1番大事なのは「とにかく書くこと」です。

書かない人は人生を損していると言っても良いです。

僕もノートを書くようになってから,人生の質は確実に向上しています。

 

まずは好きなノートとペンを買ってきて,最初の1文字を書いてみてください。

なんでも良いです。

続けていけばダンス人生の質は圧倒的に変わります。

Xからの読者コメントをお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!
Facebookでのコメントをお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!
スポンサーリンク
ABOUT ME
an
an
鳥取ダンススクールエルンフォ代表
鳥取市でストリートダンスを教えています。
記事URLをコピーしました