僕が中学生のころは、吹奏楽部が厳しくてきついというイメージがありました。
当然僕は部外者なので「厳しくてきつい」という印象を持っているだけなのですが、最近ちょこちょこ吹奏楽部関係者から話を聞くことがありました。
やはり吹奏楽部は厳しくてきついようです。
以下、聞いた話とそれについての僕の感想。
- そもそも吹奏楽部は「集団指導」である。
- 入部した途端に、何かしらの本番に向けての練習が始まる場合が多い(エルンフォに入会してみたら数ヶ月後に発表会本番があるみたいな感覚)。
- ぶっちゃけ、初心者一人ひとりに丁寧に指導している暇はない。
- 下に合わせて指導をしていると間に合わないので、必然的に厳しい指導になる。
- 厳しい指導に耐えられなかった人は退部し、耐えられたストレスに強い人が残り、結果実力が伸びていく。
- 強豪校にでもなったりしたら、それに憧れて入ってくるので最初から覚悟がある人が入部する。
- 今思えば、僕も部活で手取り足取り教えられた記憶はない。その場につっこまれて、見様見まねでメニューをこなしていったという記憶しかない。
- おそらく部活というものは、育成の場ではなく、選抜の場である。
- ただ正直、それもわからなくもない。育成を意識すると、どうしても個別に専心して指導する必要があるため、時間がかかり、学生というタイムリミットがある中で達成感は出にくい。
- また顧問の先生も専門指導のプロではないため、自分の経験を頼りに指導するしかなく、過去の厳しい部活や学校教育に適応してきた人だからそれが正しいと思い指導を続けている。
- 大人まで一生続けるつもりならゆっくり成長するのがベストだが、おそらくそのように考えている人は顧問のみならず、生徒本人、保護者の中でも少ない。
- 本人が自主的に「成長」するという道を選ぶことができればいいが、その発想にいたる人は少なく、至ったとしても方法もわからないし、環境を与えてやることも全ての家庭ができるわけではない。
- そもそも教育でもなんでも「一見正しいと思われているような、実は間違っていること」がはびこっているので、プロの指導者がその多勢に逆らって「一見間違っているんだけど、実は正しいこと」をしても理解が得られず孤立するリスクがある。それを考えて「本当のことを言わないプロの指導者」も多い。
とまあ、やっぱり人を育てるのは難しいと思ったし、周りから認知されるくらい上達するということは奇跡に近いんじゃないかなと思ったりもしています。
いろんな偶然が重なって、運よくずっとダンスを続けられて、上手くなり続けるって本当に運がいい。
僕の場合、専門的な指導は勉強してきたから自信はあるけど、「一見間違っているんだけど、実は正しいこと」なので、受けている生徒もピンときてない場合が多いように思うんですよね。
それよりも「一見正しいと思われているような、実は間違っていること」をとにかく量をこなさせることで、ストレスに強い生徒が残っていくような指導をしたほうが、一部の人が結果が出て、それが後光を生むことになるんだろうけど、好き嫌いの問題でやりたくないんですよね。
それでも「肝心なのは、自分自身から始めることであり、このとき人は、この始めること以外は一切何も気にかける必要がない」の精神でやっていくしかないんですけどね。
ABOUT ME
鳥取市でストリートダンスを教えています。