考察

ダンスが上手くなる人と上手くならない人の違い

今回は「ダンスが上手くなる人と上手くならない人の違い」について書きます。

指導ももうすぐ10年になろうとしています。統計データとしてはまだまだ十分なものではありませんが,やはり「傾向」というのは見えてきます。

なかなか「言語化」できなかったんですよね。でも最近はいろんな本を読んでいくにつれて,僕が思っていたようなことを書いてある本にたくさん出会い,言語化できるようになりました。しかも科学的な根拠があるというので,やっぱり間違ってなかったと自信にもなりました。

 

今回は3つにまとめましたので読んでいただけたら幸いです。

上手くなる人は「自分の能力は努力次第で伸びる」と信じている

まず1つ目ですが,上手くなる人は「自分の能力は努力次第で伸びる」と信じています。このような考え方を「成長マインドセット」と呼びます。

成長マインドセットの人は,失敗を恐れずにどんどん新しいことにチャレンジしていき,結果,自分の能力を伸ばしていきます。

 

対して,上手くならない人は「自分の能力は生まれつき決まっている」と信じています。このような考え方を「硬直マインドセット」と呼びます。

硬直マインドセットの人は,自分の能力を証明することに力を注ぎます。なので,難しいことにチャレンジをせず,簡単なことだけにトライし,成功する,ということをひたすら繰り返していきます。

 

成長マインドセットと硬直マインドセット,相反する2つの考え方ですが,どうしてこのように2つの考え方に分かれると思いますか?

この大きな要因は「親の接し方」になります。

 

「あなたは頭が良い」とか「うちの子は才能がある」と言ったような「その子の能力を褒める」といった褒め方をすると,その子は「硬直マインドセット」になります。

これは親が「才能ある子でないと認めない」というメッセージを暗に自分の子供に伝えているということになります。

その結果,その才能を証明し続けることで,親に認めてもらえるので,失敗のリスクを極端に嫌い,失敗しないことばかりにトライしていくことになります。

 

逆に成長マインドセットの子の親はどういう褒め方をすると思いますか?

「いいやり方だね」とか「この前よりもできてたよ」というように「その子の努力(戦略と選択)を褒める」のです。

ということは,子どもはどんどんチャレンジしますよね。失敗してもチャレンジしたら親は褒めてくれるわけですから。

 

なので,親は「自分の言動が子どもにどんなメッセージを与えているか」ということをすごく考えなければいけません。

「うちの子は物覚えが悪くて」とか「リズム感がなくて」とか,平気で言ってしまう人は要注意です。能力にしか関心がないと思われますよ。

 

マインドセットについてはこの本を読むことをおすすめします。本当に地球上の全ての親に読んで欲しい本です。

マインドセット「やればできる! 」の研究

上手くなる人は「ダンスに取り組む姿勢」がよい

2つ目ですが,「取り組む姿勢」が素晴らしい人はやはり上手くなります。

例えば,難しいことでも粘り強く練習するとか,人が見てないところでもズルをしないとか,面倒くさいという感情に負けず練習するとか。

こういう粘り強さだったり,誠実さだったり,自制心だったり,そういう能力のことを「非認知スキル」と呼びます。

 

対して,勉強で言えば学力,成績みたいなものを「認知スキル」と呼びます。ダンスだったら上手い子は認知スキルが高いと言えるでしょう。

この非認知スキルが高いと認知スキルも高くなる傾向があるようです。

 

これもマインドセットと同じく,子どもたちを取り巻く大人,多くの場合は親がどうやって子どもたちと関わるかによって変わってきます。

極端なことを言えば,ネグレクトや虐待を受けていることもは非認知スキルが育たないと言われています。

非認知スキルは,環境(=子どもにとって毎日続く経験)によって左右される複雑な土台なのです。

ネグレクトや虐待まではいかなくても,日頃からガミガミ言いすぎたり,怒りすぎたり,不機嫌な感情をぶつけすぎていることはあるかもしれません。ここも親(もちろん教師も)は気をつけるべきところです。

 

非認知スキルに関してはこの本がおすすめです。

私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む

上手くなる人は「うまくやろう」としていない

2つ目までは,子どもたちに関わってる大人からまず変わろうね,という話でしたが,3つ目は,本人へのアドバイス的なことになります。

 

例えば,子役で成功した子が大人になったときによい俳優とか女優になれないことが多い,というのを聞いたことがあるでしょうか?

この事象って,あらゆる業界で確認されているそうなんです。

これはなぜかというと,子どものころの成功って「大人が認める」から成功なんですね。極端な話,実力はわからないけど,業界の人が認めて,推しているから「天才」と言われるんだけど,いざ大人になって,今までのレールがなくなったときに自分でどうにかできないんですね。

ようするに世間のものさしの上で「うまくやろう」と思っているから,無難なことしかできなくて,上手くなりにくいのです。

 

気付いた方もいらっしゃると思いますが,マインドセットの話と繋がってきますよね(だからマインドセットについては勉強したほうがよい)。

レッスンとかでも,先生が好きな踊りをやってしまうとか,バトルとかなら,審査員が好む踊りをしてしまうとか。だから無難になり,創造性が育たないということです。

これも大人に責任がありますが,子どもたちができるとすれば,まずは「自分の認めてくれる先生を選ぶ」ということと,「自分の踊りを追求する」ことを怠らないことですね。

「うまくやろう」と思いすぎずに「おもしろいことをしよう」というふうに意識をシフトしていけば,他の人よりもよいダンサーになれると思います。

 

【追記】

上手くなるには練習の「量」と「質」,どちらも大切です。でも量はわかるけど,「質」って具体的にはどういうこと?と思うのではないでしょうか。

それについて答えている記事を紹介しておきます。

あわせて読みたい
練習の「質」というのがわかったかもしれない今までに練習の質と量の話はたくさんしてきました。 ↓ https://lnfo-project.com/blog/20150...

 

さらに,練習の質を高める1つの具体例も紹介しています。

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「メモの魔力」から学ぶ,主体性の具体例https://lnfo-project.com/blog/20190423836/ ↑ この記事の内容のことに気付いたことをき...

 

こちらのおすすめしておきます。

⇒ コンテストやダンスバトルで勝つ人と勝てない人の違い